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超現実主義宣言 (中公文庫)
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| 商品カテゴリ: | アート,建築,デザイン
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| セールスランク: | 95774 位
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優れた訳本
「シュルレアリスム宣言」といったら、岩波文庫の巌谷氏の訳本であるが、私は、こちらの生田氏の「超現実主義宣言」をお勧めする。
こちらのほうが、日本語に違和感がまったくなく、ブルトンの「自動筆記」が伝わってくる。
まるで、生田氏が自動筆記しているかのごとくである。
タイトルが、なじみのある「シュルレアリスム」という言葉も、訳されて「超現実主義」となっているが、あえて、それが、生田氏の訳のリズムを創りあげているように思われる。
ブルトンの「シュルレアリスム」とはなんぞや、と知りたければ、こちらの「超現実主義」を一読すべきであろう。詩、文学においても、芸術の分野においても、多大なる影響を及ぼした、20世紀最大の運動であるシュルレアリスム。シュルレアリスム運動に関心があるのならば、必読書であろう。
ブルトンの座標体系
「思考の実際上の働き」を表現しようとくわだてる。この言葉はなにか「現実」という確かな指針があってこそ、批判的な態度として有効性を感じる。はたして今日、確かな「現実」など存在するのだろうか。ヴァーチャルなもの、まがい物の氾濫する中、「思考の実際上の働き」自体は、むしろためらわず吐き出されているようにも思う。そしてクリエーター達はもはやそれらをどこかで「意識」してうまく統辞させていくか、あるいは「ありのままに」パッケージングして、これが現実ですよと見せることしか出来ないのではないだろうか。
このとき「理性によって行使されるどんな統制もなく・・」という技術は、作家のイノセントな追求と、吐き出させる身体能力にかかっているのだと思う。すでにネタは無限に存在し、それを「つかみ」前へ出すことが出来るのかが勝負なのだろうか・・。なんて思った。
ただ僕がこの本の中で一番好きになったのは、最後の「超現実主義第三宣言か否かのための序論」だ。第二次大戦中、亡命先のアメリカでかかれたこの章には前半での人を突きはねるような勢いは感じられず、著者の疲労と絶望とがにじみ出ている。しかしむしろそこには、全ての事象をも飲み込みそうなブラックホールを感じた。個人的経験が作り上げたブルトンの座標体系が完成の時期を迎えたという、悟りのような落ち着きすら感じてしまうのだ。
生きた翻訳
生田氏訳には定評があるが、実際ここではブルトン(当時の変遷を追って)を演じ切っている。他の訳と併せ読めばおそらくニュアンスの意訳については本版が一番”芸術的”であろう。ここでの冒頭第一宣言に始まる傲慢かつねじれたブルトン節は、まるで原文が日本語であるような錯覚さえ起こす。現在文庫版では岩波に第一宣言があるが、読んでいて魅力はこちらほど感じられない。生田版には第二宣言、第三「宣言とするか否か序」までが収録。定本版より手軽でカヴァーも愉快であり、この文庫版は推薦。原文の内容も全ブルトン著作中の白眉。
中央公論新社
シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫) シュルレアリスム宣言;溶ける魚 (岩波文庫) ナジャ (岩波文庫) シュルレアリスム (河出文庫) ダダ・シュルレアリスムの時代 (ちくま学芸文庫)
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